<今月の最新情報>

12月情報

           ◆◆ 茶渋と電動歯ブラシ ◆◆

 お茶はとても良い飲み物です。お子さんに対しても「日常の水分補給」として大い にお勧めしています。しかし、すべての人ではないのですが時々茶渋が歯の表面に沈 着して茶褐色になることがあります。そして歯ブラシではなかなか落ちにくいものな のです。

 定期的に歯科医院で茶渋を取り除いてもらうのがよいのですが、4〜5歳をすぎる とお母さんの仕上げ磨きのときに電動歯ブラシをお使いになると沈着はかなり減らす ことが出来ます。

 電動歯ブラシは安価なものでよいのですが小さめのを選んでください。そしてお子 さんの好きな味のする歯磨剤を少し付けるとより汚れは落ちやすくなります。

 不思議なもので「お茶を全く飲まない人」でも同じような歯の色素沈着がみられる 事があります。恐らく唾液の成分と飲食物の成分がお口の中で何らかの化学反応を起 こすためかと思われます。この場合も同じく電動歯ブラシが威力を発揮するはずで す。

11月情報

◆◆缶コーヒー症候群・ペットボトル症候群にご注意◆◆

 私(小児歯科医)と友人のA歯科医との会話です。

A:「営業マンに隣接面う蝕(歯と歯の間のむし歯)が多いのは出先を回る時に自動 販売機やコンビにで眠気覚ましに缶コーヒーを買い求めてコマーシャルの女優さんを 思い浮かべながら頻回飲むからだよ」

私:「なるほど糖分の多いタイプの缶コーヒーをしょちゅう飲むのは危険だね。」

A:「これを缶コーヒー症候群と呼ぶらしいよ」 

私:「そういえば、・ペットボトル症候群もこれに似ているよ。スポーツマンに多 く、ペットボトル入りのスポーツ飲料やサプリメント飲料を運動中にしょちゅう飲む ことで同じような隣接面う蝕ができるんだね、本来は糖尿病のきっかけ要因で使う言 葉らしいけど。」

 お宅のご主人様は大丈夫ですか?赤ちゃんのボトルカリエスやおっぱいむし歯も同 じような原因で出来ます。飲み物でおすすめはお水とお茶ですね・・・

10月情報

◆◆ 卒乳(断乳)はいつがいいのか? ◆◆


 1995年、当時の厚生省はそれまで12ヶ月までとしていた離乳の完了時期を、子どもの発達に応じて「12〜15ヶ月、遅くても18ヶ月ごろまでに」と改め、牛乳を飲ませ始める時期も、10ヶ月以降から1才過ぎとしました。

 また、今年四月に改定された母子手帳も、スキンシップを大切にするため、従来の1才をめどに「断乳」させるという考えから、自然に「卒乳」させるという指導に変わってきています。
 
 小児歯科の現場からの印象としては、卒乳(断乳)の遅れが原因の「おっぱいむし「歯」が幾分増えている気がします。子どもの発達に応じて・・・スキンシップ・・・いずれもとても大切なことです。これらの指導に加えて、夜間授乳の弊害、哺乳瓶う蝕の実態、乳歯の萌出との関係、むし歯菌の伝播、母親のお口の清掃など、口腔からみた卒乳(断乳)指導も加える必要性を強く感じます。

9月情報


◆◆歯周病になると心臓病が悪化する(その2)◆◆

 心臓病の多くは、心臓に栄養を供給する冠状動脈の炎症性変化から始まり、血管壁 を損傷したり、血管を塞いだりして起こります。その結果、心臓を動かしている心筋 が機能しなくなり心筋梗塞、狭心症を引き起こすことになります。歯周病になると、 歯の周囲に歯周ポケットが形成され、その中に存在する細菌やその産出する毒素が歯 周組織に炎症を引き起こし組織を破壊します。それとともに歯周病が持続すれば、歯 肉のなかの血管壁が破壊され、血液中に歯周病関連菌やその毒素が進入します。さら に、歯周病が治療されず放置されれば、慢性的にあるいは持続的にそれらが血液に供 給されるわけです。これらが心臓動脈の血管壁に炎症反応を悪化させるという経過を 辿ることがあります。
 9760人の歯周病と心臓病の関連を14年間調査した結果によると、歯周病グループはそうでないグループに比べ、心臓病のリスクが25%も増加していることがわかりました。特に25〜49歳の比較的若い人では、歯周病グループは心臓病を患う確率70%も増加していました。また、1147人の男性を対象にした調査研究では、歯周病による歯槽骨の吸収が20%以上進行している人は、それ以下の人に比較して心臓病のリスクが50%も高くなることを示しています。さらに重症の歯周病の人は、約2.8〜3倍心臓病を引き起こすリスクが高くなるのです。
 これらの研究報告を踏まえて、アメリカの新聞や広告誌は「Floss or Die」という スローガンを提唱し、歯周病の予防を啓発しています。Floss(歯と歯の間を清掃す ること)することでDie(死)を逃れようとするスローガンです。日本的な標語にす れば「プラークコントロールで若年期死亡の抑制を」と言うことになるでしょう。  口や歯が健康であれば、あるいは歯周病が治療されコントロールされていれば、お いしく食事ができ、会話を楽しむことができるばかりでなく、全身的にも健康になる という認識をもち、お口の健康に気をつけましょう。
<北海道歯科医師会 道民広報 「歯っぴいライフ」8月より抜粋>

 


8月情報


◆◆歯周病になると心臓病が悪化する(その1)◆◆

 「歯周病が全身の体調や病気に悪影響を及ぼす」と考えている人はそんなに多くな いのではないでしょうか?歯周病とは、歯肉、歯槽骨(歯根を取り巻く骨)および歯 根膜(歯根と歯槽骨をつないでいるジン帯)などの歯の回りの組織が破壊され、その 機能が侵される病気です。歯周病の主な原因はプラーク(歯垢)の中の細菌であり、 歯磨きの不徹底、歯石の付着、わるい歯並びおよび不適合な冠などが存在するとプ ラークが増加し、歯周病を悪化させます。またかみ合わせの異常および喫煙なども歯 周病の進行に影響を及ぼします。
 歯周病は歯と口の健康に重大な影響を与えるばかりではなく、最近の研究ではさま ざまな全身の病気に医学的な問題を引き起こすことが科学的に証明されました。その 全身疾患の一つに心臓病が挙げられています。心臓病は常に死亡原因の上位を占め、 治療には莫大な経済的、人的資源が投入されることに加えて、心臓病を患った人の ‘生活の質”をもうばうことになります。心臓血管性の疾患や心筋梗塞などの心臓病 の発生には、社会的な精神的ストレス、食事、遺伝、喫煙などの多くの生活習慣がか かわっています。
 それでは歯周病がそのように心臓病と関連しているのでしょうか?
             (次回につづく)

<北海道歯科医師会 道民広報 「歯っぴいライフ」8月より抜粋>
 

 


7月情報

◆◆ 抜けた歯はどこへゆく?◆◆
 

 みなさんは乳歯が抜けた時、その歯をどうしたか覚えていますか?
きれいな歯が生えてくるようにと願いを込め、抜けた乳歯をどうするのか、様々な言い伝えや風習をご紹介しましょう。
 まず日本では、上の歯が抜けた時は「縁の下に投げ」、下の歯が抜けた時は「屋根に放り投げる」という風習があります。こうするのは、「新しい歯は、古い歯がある方向に伸びる」と信じられているからです。同じような風習は中国、韓国、シンガポール、ベトナムなどにも見られ、アジア地域で共通してひろまっています。
 では、アメリカやヨーロッパではどうでしょう?この地域での言い伝えは大きく二つに分かれています。
アメリカ合衆国、カナダ、イギリスなどでは「夜寝る時に枕の下に抜けた歯を入れておきます」。そうすると眠っている間に「歯の妖精」がやってきて抜けた歯を持っていき、その代わりにコインを置いていってくれるそうです。
 メキシコやフランス、スペインなどでは枕の下に入れた歯は、ちびネズミが持っていって代わりにプレゼントを置いていってくれるそうです。
 歯を持っていってくれる動物はネズミだけではなく、リスや小鳥だと言い伝えられている国もあります。また、チリやコスタリカなど、抜けた歯をイヤリングにして、自分の身に付けておくというユニークな風習のある国もあります。
 地域が違うと、風習や言い伝えも様々ですが、「歯の健康を願う気持ちは万国共通」なのです。そんな大切な歯が、むし歯にならないように、毎日の歯とお口のケアに気をつけて、いつまでもきれいな歯でいられるようにしましょう。
             <日歯広報 2002.6月号 歯ごたえのある話>

 


6月情報

      ◆◆赤ちゃんの突然死対策を要望◆◆

 
乳幼児を突然亡くした親や弁護士らで作る「赤ちゃんの急死を考える会」は、大阪で開かれた第8回日本SIDS(乳幼児突然死症候群)学会で、病院の新生児室に監視カメラを設置するなど、赤ちゃんの突然死の予防対策を要望した。
 同会事務局の櫛毛富久美さんは生後1日の長女が、うつぶせ寝にされ新生児室で亡くなった体験から「SIDSが窒息事故の責任回避の口実に使われている」と指摘。診断の明確化や、うつぶせ寝による事故の予防キャンペーン、突然死が起きた時の補償制度を求めた。  <02.3.3. 読売新聞>

 


5月情報

      ◆◆夜寝る前の歯みがきが一番大切◆◆

■歯みがきの目的はむしば菌や歯周病菌などの病原菌を多量に含む歯垢を除去することと、歯の周りの歯肉をマッサージすることで歯肉の血行を良くし、歯肉の組織を活性化することです。
したがって歯みがきというよりは「ブラッシング」というべきですね。一般的には「1日3回、食後3分間以内に3分間みがきましょう」といわれていますが、小さいお子さんの場合はなかなか大変だと思います。
■そこで提案です・・・1日3回を目標にしてそのうちの1回を夜寝る前(夕食後から就寝までの間でお水・お茶以外の飲食をしない時間帯)に少し時間をかけて(3〜4分ほど)徹底的にブラッシングすることがとても効果的です。できるだけ眠たくなる前がいいですね。
■お子さんをお母さんのひざに寝かせて要領よくリズミカルに・・・感じとしては「ゴシゴシ」ではなく「シャキシャキ」の感じで歯列全体を時間をかけて磨いてあげましょう。無論、ブラッシング後のお水・お茶以外の飲食は厳禁ですよ・・・
■寝ている間は唾液の分泌が低下して、むしば菌や歯周病菌が活性化しむし歯の出来やすい状態になります。したがって寝る前のブラッシングが一番理想的といえるのです。

 



4月情報

     ◆◆ママの受動喫煙胎児に影響◆◆
      
「呼吸器系の疾患で受診」26%高く

 香港大学はこのほど、非喫煙者の母親が妊娠中に頻繁に受動喫煙にさらされた場合、子供が生後18ヶ月以内にぜんそくなど呼吸器系の疾患で病院に行く割合が、受動喫煙にさらされない場合に比べて26%高くなるとの調査結果を発表した。同大は1997年に非喫煙者の母親から生まれた約8300人の乳児を調査。母親の約14%が毎日、約50%が時々受動喫煙にさらされており、受動喫煙者の子供が入院する割合も18%高かった。
また、家庭に喫煙者が一人いると乳児が入院する可能性は7%、二人以上いると30%それぞれ高くなるという。同大は「母親が受動喫煙にさらされると胎児の肺機能に影響し、アレルギーになる可能性が二・三倍高くなるほか、体重が平均で二百グラム軽くなる。」と警告している。

<(香港、共同) 北海道新聞2002.3.13>
 


3月情報

◆◆ たばこの煙は女性の敵です ◆◆

 日本メナード化粧品は2月21日、排ガスやたばこの煙に含まれる成分が紫外線A波に当たってシミの原因となる炎症を引き起こすことを突き止めたと発表した。
紫外線の中のより短い波長のB波が肌に炎症を起こしてシミになることは知られているが、B波だけではなくA波とベンツピレンにより起こる炎症を防ぐ必要があるという。
 メナードによると、たばこの煙に含まれるベンツピレンと呼ばれる有害物質を皮膚 に塗り、紫外線A波を照射したところ炎症が起きた。ところがA波を当てなかった場合 炎症はみられなかったという。
 この結果、紫外線A波がベンツピレンに当たることで強い刺激物質に変わって肌に 炎症を引き起こし、それを繰り返すことにより、シミの原因となるメラニンが過剰に つくられる、という結論に達した。
 メナードは「交通量の多い交差点やたばこの煙が多い部屋では注意する必要があ る」と話している。                      
< 北海道新聞2月22日より >

 


2月情報

◆◆乳児用清涼飲料水にアルコール◆◆

市販されている一部の乳児用清涼飲料水にアルコールが含まれていることが大阪府立消費生活センターの調べで分かった。同センターでは2001年6月、5ヶ月の男児を持つ母親から『市販の乳児用清涼飲料水を飲ませたら顔が赤くなった』との相談を受けた。府内で市販されている9銘柄を任意で選び、成分を分析したところ、すべての銘柄で92〜1300ppmのエチルアルコールが検出された。最高濃度の飲料水350mlを飲むとビール大さじ一杯弱とほぼ等しいアルコール摂取量になるという。現時点で健康被害の報告はない。連絡を受けた日本ベビーフード協議会は、メーカー各社に原料を転換するよう通知した。
 (01'11/1 産経新聞)


1月情報

■■ 成長期の脳の発達にはよく噛む刺激が必要 ■■

 私たちの脳は、両親から受け継いだ遺伝子の指令によってつくられますが、その発達については、生後の環境が大きく関係しています。つまり、栄養を十分とることや、適切な時期に脳に適当な刺激を与えて、さまざまな学習をすることが、成長期の脳を発達させるのに欠かせない大切な要素だということです。なかでも注目されるのが、成長期に「噛みごたえのある食べ物をよく噛む」という刺激が大脳へ与える影響です。
 朝日大学の船越正也教授はマウスを使った実験でそのことを証明しています。実験マウスに同じ餌を噛みごたえのある形とそうでない粉末の形で与えて迷路テストを行い、噛み応えのある餌を食べて飼育したグループに学習能力に有意差を認めたという有名な実験です。
 人間の場合も噛むことが脳の発達に必要不可欠な要素であることは確かでしょう。つまり、離乳食から大人になるまでの間に軟らかい食べ物ばかり食べていると、噛む刺激がたりなくなり、その結果、脳の本来の発達が遅れてしまう可能性があるということです。

<五十嵐清治監修「歯の不思議サイエンス」ダイヤモンド社より抜粋>